Parenting self-efficacy (PSE)は親が親として子育てをできるかどうかということについての自己評価を指す。多くの研究により、PSEが高い親は、PSEが低い親に比べて、子どもの発達を促進する積極的な養育行動を取る傾向があることが示されてるが、特定のタスクや活動に関するPSEを評価するこれまでの測定方法は、特に国を超えた文脈において、十分に検証されていないのが現状であった。そこで本研究は、Berkeley Parenting Self-Efficacy Scaleの改訂版の開発を試みるものである。日米の就学前及び小学校低学年の子どもをもつ保護者を対象とした調査を行い、確認的因子分析により、構成概念、測定基準、尺度の等価性が強固であることを確認した。Berkeley Parenting Self-Efficacy Scale改訂版(BPSE-R)は、良好な再検査信頼性を示し、両国のサンプルにおいて、親の幸福感や自己報告による養育行動の同時測定と有意な関連が認められた。特に日本では、BPSE-Rが教師による子どもの学校関連の能力評価と関連していることも明らかになった。これらの結果は、BPSE-Rが日本と米国の幼児の親にとって、信頼性が高く妥当なPSEの測定手法であることを示している。(Susan D. Holloway, Sawako Suzuki, Soojung Kim, Ayumi Nagase, Qian Wang, Emily J. Campbell, Maedeh Golshirazi, Kyoko Iwatate, Sayuri Nishizaka)