共立女子大学文芸学部「東洋思想史」(新カリキュラム「思想の生成」に該当。3・4年次配当、通年、4単位)に使用。
東京大学名誉教授、共立女子大文芸学部教授であった相良亨氏を編者とする本授業のテキスト『日本思想史入門』は、伝統思想の様々な側面を示す古典18冊を選び、日本思想史に関心をもつ人のために、それぞれのテキストが内包する思想を集中的に解説するとともに、それぞれの古典の核心的な部分を原文のまま註をつけて引用し原典に当たることの意義を感じ取らせ、日本の思想伝統の豊かさを伝えようとしている点で教育的配慮の行き届いたものとなっており、当該授業の教科書として適当なものであった。その後、より明確な伝統思想解釈を軸に授業展開することを意図して、同編者の著書『日本人の心』(UP選書)および佐藤正英『日本倫理思想史』(東大出版会)を教科書として採用したが、昨年度から再びバランスよく日本の思想伝統を概観する本書を当該授業の教科書として採用している。