自らの研究の導きとなった学士、修士、後期博士課程で出会った恩師の学問的思想とその教えを振り返り、貫いてきた自らの研究の原点である「人間存在と家庭」について言及した。これについては、2008年に家政学原論部部会創設40周年を記念して著した「人間瀬存在と家庭:家庭生活論としての試み」(家政学原論研究、No.42、42-43)を土台としており、その後の思想を回顧した。恩師から授けられた家政学、生理人類学、哲学の教えを包摂し存在論的に学会誌に投稿をつづけてきたが、これらの論考のすべての焦点は、「人間生活と家庭」、その独自性に向けられていた。2022年に青土社『現代思想』(2022年-No.2.特集 家政学の思想)に寄稿した『家庭という時空』(8-20頁)は、図らずも自らの研究の総括的論考となった。本稿は、筆者が貫いた家政学原論研究における本質的・思想的変遷を記したものである。(依頼原稿)