樺山紘一他編。著者多数。事典項目。「グラーティアーヌス教会法令集」は中世教会法を体系化した法令集である。本書以前には、相矛盾する法文が多く行われ、教会行政上様々な支障を生じていた。「デュカンジュ・ラテン語辞典」は近世フランスの人文主義者、デュカンジュが集成した後期ラテン語(西紀五世紀以降のラテン語俚言)、中世ラテン語(語彙や句法の点で古典ラテン語とは大きく異なる)に取材した難語解。平易なラテン語で語釈を与える。付録多数。今日でもその辞書的な価値を保つのみならず、本書そのものが近世フランスの人文主義やフランス社会の遺産として、史料的価値を持つ。