「前古典期アッティケーのトレイス・スタセイスを考えるために」
『クリオ』9(クリオの会)1窶骭15
『アテーナイ人の国制』、及びヘーロドトス『歴史』(前五世紀後半成立)の記述によると、ペイシストラトスが前六世紀半ばのアテーナイで僭主政を樹立する際に、三党派が内訌を繰り広げたという。拙稿では、その史料の記事に矛盾が多く、史料成立時の解釈が盛り込まれていることを指摘し、前古典期にアテーナイという国の成立を前提にするのは性急であり、むしろアッティケーという地理概念を枠組みにするべきであると提言した。