急性期病院における高齢患者のせん妄について、看護師のアセスメントおよびケア・スキルの向上と、それを根付かせる組織のせん妄ケアシステムを構築することを目的とし、看護師に対する集合教育プログラムの開発と評価を行った。集合教育プログラムは、せん妄に関する知識、アセスメント方法、ケア方法の受講と病棟においてせん妄ケアの質を向上させる取り組みを推進するリーダー(せん妄ケアリーダー)をおき、病棟の実情にあった取り組みを実施するものである。結果、せん妄発症率やせん妄発症に伴う身体拘束、転倒・転落、ルート誤抜去件数などのアウトカムが統計学的有意差を示すほどの効果はみられなかった。しかし、看護師へのアンケートやインタビューデータから、看護師のせん妄に対する認識や行動に変化が生じたことが確認できた。
本人担当部分:データ収集、分析
共著者:長谷川真澄、粟生田友子、瀧断子、鳥谷めぐみ、川里庸子、菅原峰子