本研究では,音楽の視聴方法としてストリーミングが主流になる中で,歌詞の重要性に着目し,歌詞の内容が曲のヒットにどのように影響するかを調べるために,(1)まずヒットソングの歌詞から特徴量を抽出し,(2)次にそれらの人気度への影響を分析した。(1)の方法として,大規模言語モデルBERTを用いて歌詞の埋め込み表現を作成し,次元圧縮により2次元のデータを生成した。1つの次元を「他者に向けて書かれた曲か」と定義し,その傾向が強くなるほど他者に向けたラブソングである内容が多くなると考察した。そして,もう1つの次元を「時間の流れがある曲」と定義し,その傾向が強くなるほど物語のように時間の流れがある曲として夢や未来などをテーマに書かれた内容であると考察した。(2)の方法として,(1)の特徴量を用いて,まず人気度を目的変数とした回帰分析を行い,次に機械学習や解釈可能性のための手法を用いて分析した。その結果,いくつかの曲においては歌詞が曲のヒット要素になっていることが判明した。これらの結果は,歌詞の分析のみならず,キャッチコピーなど様々な消費財の言語を用いたプロモーションの分析に役立つと考えられる。
共同発表者(記載順):新井 菜々美, 金城 敬太