本研究は、自動運転車(AV)の乗員と歩行者が同時に存在する状況における倫理的トロッコ問題を、社会的ジレンマとして分析する。ベンサム型、ナッシュ型、ロールズ型を特別な場合として含む一般的社会厚生関数を導入し、不平等回避度を表すパラメータ?に応じた最適運転行動の変化を検討した。その結果、最適解は?に対して連続かつ単調に変化し、ベンサム型およびロールズ型に基づく解は最大値または最小値といった極端な解となる一方、ナッシュ型は中間的な解を取り得ることを示した。また、国・地域によって?の選好に差異があることを確認した。本研究は、人工知能の行動選択と厚生経済学的価値判断との接点を理論的に明らかにする。
本人担当部分:アイディア、モデル化、執筆、サーベイ
共著者(記載順)Ebina Takeshi, Keita Kinjo