バーゼル委と国際会計基準審議会の関係・議論を整理する
金融財政事情研究会「金融財政事情」
56
21
金融システムの安定を目的とする監督当局が保守性を重視する一方、会計基準設定主体は中立的な情報提供を重視する傾向にある。このため、任意の金融商品の時価評価を認めるFVO(フェアバリューオプション)を無制限に認めるか、貸倒引当金の計上にどこまで客観的な減損の証拠を求めるかといった点について、両者の間には意見の相違があり、会計基準の設定過程で議論が生じている。