「夏目漱石の書簡文の表現特徴」
夏目漱石の書簡文の文体を、上下と親疎の関係別(妻、友人、門下生、仕事関係者)に、文末文体、頭語と結語、自称と対称、署名と宛名(敬称含)などを焦点に調査し、その特徴や相違点について検討した。その結果、対人関係による文体の規範をふまえつつも、各書簡にふさわしい表現・文体を用いるという漱石の文体意識の高さが明らかになった。また例外として、友人の正岡子規宛ての書簡文の文体が極めて特異であったことを指摘した。
日本文体論学会第106回大会(於同志社大学)