終戦~現在までの女性書簡文を対象とし、とくに女性という位相の観点から、その変遷を、10年単位に、女性用書簡文例集を資料に用いて明らかにした。調査の結果、昭和末期をもって書簡文の「役割」が様変わりしたことを指摘した上で、1)終戦後、「女性向け」をうたった文例集の出版数自体が急激に減少すること、2)女性という位相を示していた書簡用語の使用も見られなくなること、3)書簡本文中にも女性の一般的な位相語が目立たなくなること、4)近年になって、かつての女性的な書簡用語が奨励されるという一種の揺り戻し傾向が見受けられることを指摘した。