学術論文

基本情報

氏名 茗荷 円
氏名(カナ) ミョウガ マドカ
氏名(英語) Myoga Madoka
所属 大学 文芸
職名 専任講師
researchmap研究者コード
researchmap機関

発行又は発表の年月

2026/01

学術論文名

画像生成AI は文体・位相差をどう捉えるか
― 待遇表現を対象とした実験的観察 ―

単著・共著の別

単著

発行雑誌等又は発表学会等の名称

『文學藝術』

第47号

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終了ページ

概要

日本語の持つ言語的特徴に着目し、試験的かつ断片的ではあるが、日本語の文体・位相の特徴や差異を、現時点(2025年5月末)で生成AIがどのように捉え、画像生成にあたってどのようなプロンプトを生成し、最終的にはどう画像に反映させるかを、文学テクスト(芥川龍之介『蜘蛛の糸』)を用い、観察した。その上で、将来的に、生成プロンプトおよび生成画像が、ある文体の印象を示唆する「目安」や一材料となり得る可能性について考察した。
 今回の検証においては、ChatGPTの方は、待遇差の詳細までをも認識出来ているが、読み手への待遇差(敬体か常体か)程度では、その差異は画像に反映されなかった。また、読み手と話題の人物に対する待遇表現にねじれが生じるような不自然な文においては、その矛盾を画像化する際に、「話題の人物」の待遇表現が優先される傾向にあることを確認した。これらの結果から、現段階では、DALL-E3の生成能力がChatGPTの要求に追いついていない状態にあるということがいえる。ただし「話題の人物」への待遇差が著しい場合は、その違いが画像にも反映されていた。したがって、現段階においては、「限定された条件下」ではあるものの、生成プロンプトは文体の印象を示唆する一つの手がかりとなり得る可能性があると考えられる。生成画像については、文体・位相の特徴が比較的顕著な場合には、あくまで「目安」として参照できる程度であり、現段階での有効性は限定的である。