名詞述語文における「コト性」名詞のふるまい
『共立国際研究』
第39号
名詞述語文において「コト性」を有する抽象名詞を主題とした場合の、述語形式の制限とバリエーションについて分析した。例えば、「特徴」を主題とした場合、「特徴は~ことである」のように述語は「こと」によって名詞化される必要がある(コトダ文)が、「性質」の場合は、「性質は~ことである」のような表現は許容されにくい。また、「~のが得策だ」のように、述語としては用いられるが「?得策は~コトだ」のように主語になることはできない名詞もある。これらの名詞の構文的ふるまいについて考察した。