引用形式「って」による主題提示についての考察をふまえて、引用形式という関連から「といえば」による主題提示について考察した。
「といえば」は「という」の条件形であるが、その用法は「いう」が動詞として機能している用法(例:「ノー」と言えば、相手は不機嫌になる)が基本となっている。そこから派生し「いう」が動詞としての意味を失い「といえば」全体が複合辞として機能している用法(例:ミュージカルの本場といえばブロードウェーである)もある。
本稿では、「といえば」が基本的な意味から派生し、主題提示をする複合辞としてどのような用法があるのかを分析した。