方言にあらわれる漢語・外来語 東日本方言
『国文学解釈と鑑賞』第70巻1号
日本語はこれまで、さまざまな形で多くの漢語を取り入れてきた。中世以降、実用的なことばとして日本語の中に取り入れられた漢語は、近世に入ると一般庶民のことばとして広く用いられるようになる。共通語と異なった形態、意味を持つ漢語を対象として、それらの漢語が、どのように東日本の方言の中に取り入れられたかを論じた。一部の漢語は、形の面でも意味の面でもそれぞれの地域の語彙として定着し、もはや「借用語」ではなくなっている点を指摘した。169頁-175頁