ガ分裂文をめぐって
『千葉大学留学生センター紀要』第5号
日本語の分裂文には「~のは~だ」「~のが~だ」の2種類が存在する。前者の場合は、述語の部分に焦点があり、後者の場合は主語の部分に焦点があるとされている。しかし、多くの用例を分析した結果、後者の場合に、述語に焦点があるものや焦点があるとは解釈されにくいものが存在することが明らかになった。このことは、「~が」を用いた名詞述語文に「中立叙述」が存在することを示唆するものである。1頁-12頁