学術論文

基本情報

氏名 橋川 俊樹
氏名(カナ) ハシカワ トシキ
氏名(英語) Hashikawa Toshiki
所属 大学 国際
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

発行又は発表の年月

1982/07

学術論文名

『青年』 ―その受身的な青春―

単著・共著の別

単著

発行雑誌等又は発表学会等の名称

「稿本近代文学」第5集

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概要

森鴎外の『青年』は、明治43年に「スバル」に連載された、文字通りの青年小説・青春小説であり、漱石の『三四郎』や『それから』に触発されて書かれたものである。しかし、『三四郎』などとは違い、『青年』の主人公・小泉純一は非常に冷静でモノに動じないタイプである。彼は作家を志して田舎から上京してくるが、初めての東京にもあまりとまどわない。純一が唯一まどわされ、翻弄されるのは坂井未亡人との〈関係〉であるが、これも積極的な〈恋愛〉にはならず、彼の態度はすべてにおいて「受身的(パッシヴ)」である。このことを作品に即して検証し、どうして鴎外はこのような青年を造型しとのか考察した。 49頁~61頁