学術論文

基本情報

氏名 橋川 俊樹
氏名(カナ) ハシカワ トシキ
氏名(英語) Hashikawa Toshiki
所属 大学 国際
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

発行又は発表の年月

1981/07

学術論文名

「それから」の恋愛

単著・共著の別

単著

発行雑誌等又は発表学会等の名称

「稿本近代文学」第4集(筑波大学平岡敏夫研究室)

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概要

夏目漱石の小説『それから』について、主人公・長井代助の性格や思想の分析を中心に論じた。代助は、自ら信じるようになった独自の個人主義的・快楽主義的な思想を守り、周囲の家族や社会の影響から「自分」をガードしている。普通に「仕事」をして暮らしている他人より、「遊んで」いる自分のほうが「高尚」だと考える。しかし、周囲や他人を受け付けず、自分ひとりになっている代助には生気や活力が不足してくる。「恋愛」は、そんな代助に唯一、生きる力・行動する力を与えてくれるものである。しかし、彼の「恋愛」の対象は友達の奥さんになっている女性だった。代助は結局、「自然の愛」をすべてに優先させ、社会的に破滅し、相手とも永遠に会えなくなるが、精神的には「恋愛」をかちえて救われる、というふうに結末を解釈した。 頁~ 頁