本研究は、廃棄予定ブライダルドレス 4 着を対象に、アップサイクルを通じて審美性・実用性・教育性を同時に満たすデザイン実践を提示した。第一に、ブライダルを象徴するディテールの選択的継承と再編、袖パーツの組み合わせによる印象の汎用フォーマルへの変容、ギャザー/タック/フリル/ドローストリング等の立体技法の組織的活用により、婚礼用途に限定されない新たな価値創出が可能であることを示した。第二に、裁断くずの最小化と残布の服飾雑貨化は、資源循環と造形表現を両立する具体的手立てとして有効であり、トータルスタイリングがブランド表現の一貫性と訴求力を支えることが確認できた。第三に、学生主体の企画・制作・発表という実践型学習は、専門技術のみならず、企画立案、対人協働、舞台運営、広報連携に及ぶ総合的能力の育成に資する。観客反応・施設担当者や協力企業へのヒアリングは、産学協働を通じた製品化・販路開拓、及びレンタルフォーマル事業における廃棄削減の可能性を示唆した。宮武 恵子、石塚 里菜