呉文鎔の遺産ー曾国藩と胡林翼
『共立国際研究』
第42号
19世紀の中国(清国)において、太平天国の鎮圧にあたった官僚たちを考察対象としている。まず彼らの家系・学歴・官歴・姻戚・友人などを整理する。次に、太平天国鎮圧の過程における、皇帝や、文官・武官らとの協力と対立を分析する。そのさい、漢人と旗人との関係にも注目して、いわゆる異民族王朝の特質を明らかにすることも目指している。本稿のなかで、もっとも中心的な位置を占めるのは曾国藩と胡林翼である。