都市部における妊婦サロンの運営と評価

家族療法研究

第36巻

第3号

勤労妊婦の多い都心部における母子とその家族の健康を目指し，妊婦が，孤立することなく仲間を得て，快適なマタニティライフを過ごせる場（以下，妊婦サロン）を提供し，そのプロセスを評価することを目的とした。
首都圏のA地区でリクルートした16名の妊婦を対象とした妊婦サロンを看護学生26名とともに7回開催し，フィールドノートとインタビュー，質問紙調査からその評価を行った。
参加した妊婦のニーズと得られた効果はほぼ一致しており，妊娠期の豊かな時間を過ごし，知識を得，相談できる場として一定の効果を収めることができていた。今後は参加者のリクルート方法に工夫を凝らし，参加者を増やすこと，また評価方法の検討とともに長期的評価を行うことが課題である。