淡水産の藍藻類Anabaena cylindrica由来のシデロフォアとして、これまでに知られているシデロフォアとは全く異なる構造を有するanachelin、およびanachelin-2の単離・構造決定を報告した。その際、両物質に含まれる3つのアミノ酸の絶対立体については報告したが、鉄結合に関与する2つの特異なユニット、すなわち1,1-dimethyl-3-amino-1,2,3,4-tetrahydro-7,8-dimethoxyquinolin (Dmaq)の3位、および6-amino-3,5,7-trihydroxyheptanoic acid (Atha) 中の3つのキラルセンターの絶対立体は決定していない。今回、化学的分解および化学修飾したanachelinsに対して、J値とNOESY相関から相対立体配置を決定し、さらにBoc-phenylglycine法やMosher法を適用することで、Dmaqの絶対立体を3S (eq.)配置 、および Athaの絶対立体を3R, 5S, 6S 配置.であると決定することができた。
本人担当部分:共著者の研究指導を行い、研究全般に関与した。
共著者:Y.Itou,S.Okada, B.Alison, and M.Murakami
p.9075-9080