マタニティパンツ提案に向けた妊娠後期女性の腹部形状分析

被服衛生学部会誌

第42号

本研究では妊娠後期女性の腹部形状の変化を中心に分析し、マタニティパンツの設計を検討するための基礎資料を得ることを目的とした。30歳代の妊婦8名を対象とし、1～4回の三次元身体計測を行い、のべ18名分のデータを得た。妊娠週数経過による寸法変化では、下部胸囲、腹囲、腰囲、股上前後長、腹部矢状径、腰部矢状径で顕著な増加がみられた。腹部表面積は腹囲等と有意な相関関係がみられた。経時的計測では、腹囲の増加とともに腹部表面積も増加したが、その増加部位と増加率には個人差がみられた。縦配列を行った腹部展開図における腹部の間隙は妊娠週数が増すと増加し、特に下部間隙が大きかった。腹部表面積の増加の結果を踏まえたマタニティパンツの設計が必要と考えられた。