本研究では、4歳児クラスのグループの名前決めの話し合いにおける子どもと保育者のやりとりを分析し、最終的な決定に至る展開過程とその際の保育者の働きかけの特徴について明らかにすることを目的とした。分析の結果、偶然一致して決まる場合もあれば、複数の希望が出たため、選んだ理由や他の選択肢を検討して決定するなどの展開があった。その過程で、保育者が行った特徴的な働きかけとして次の4つが挙げられる。1)他児の意思確認: 2)一致の確認: 3)変更・譲歩の可能性の確認: 4)決定の確認: これらは、子ども同士で話し合いを進め、その結果を認識する上で重要な働きかけであり、「友だちとの相談」(杉山, 2013)を促すことにつながるものと考察した。