我が国は近年、経済状況の変化から雇用の安定性が低下するとともに、女性の社会進出も進み、就業に対 する意識や価値が変化してきている。特にコロナ禍以降、働き方や生き方に対する意識は多様化し、 若者の就労に対する意識は変化しつつある。保育者においては、保育のキャリアを継続することと専門性 の向上が関連することから、本研究においては、新任1・2年目の保育者のキャリアに対する意識を検討す ることを目的とし、5名の保育者に面接調査を実施し、SCATを用いて分析を行った。その結果、保育者と いう仕事にやりがいや喜びを見出し、保育者の仕事を続けたいと願っているものの、現在勤めている園で 継続して働くのではなく、結婚・出産などのライフイベントによって一旦離職し、その後、プライベートも 仕事も充実する形での就労継続を期待しているという特徴が見出された。(査読有)