海外では乳児用調製乳の不適切な利用の実態が報告されているが、日本における報告はほとんどない。東京周辺に在住する乳児の母親の乳児用調製乳の利用状況を調査した。不適切な乳児用調製乳の利用が推測される「乳児用調製乳と表示されていない育児用ミルクを使用している」、「調製方法を読まずに乳児用調製乳を調製している」、「調製から2時間以上経過した乳児用調製乳を乳児に与えたことがある」、「哺乳瓶に何か加えて乳児に与えたことがある」と回答した者は、それぞれ、7.9%、4.1%、23.1%、15.9%だった。これらの4つの回答と乳児の年齢(5カ月以下、6か月以上)と、育児経験(第1子、第1子以外)に有意な関連はなかった。日本人の母親は、乳児用調製乳の使用方法に従っていない者がいる可能性があり、それは育児期間の長さや育児経験の有無とは関連が無いことが示唆された。
BMC Nutr. 2022;8(1):126. 【査読付】