現在、都心部を中心に数多くの商業施設が存在しており、来客者に居心地の良さや快適な雰囲気を提供するため、空間づくりには様々な工夫が凝らされている。これは購買意欲を向上させるうえで非常に重要な要素である。このように、照明に関する研究としては現場での実験、写真実験、模型実験など多様な手法での研究が行われている。しかしながら、どの研究も単一の実験手法のみを用いて検討されており、写真実験と模型実験を組み合わせて考察した研究はほとんど存在しない。また、商業施設における実験においても、店舗内での実験が主流であり、施設の廊下や共用空間での光環境に関する実験はほとんど行われていない。本研究では商業施設の通路や広場などの共用部分に焦点を当て、光環境や色彩の変化が来客に与える影響を把握し、模型実験と写真実験を行うことで、設計の際の光環境の指標を得ることを目的としている。結論として、商業施設の通路や広場などの共用部分に焦点を当て、写真と模型実験の印象評価を実施し、光環境や色彩の変化が来客に与える効果を検討した。