足立美和 小笠原大輔 松本佳子
大学1年対象の「からだ気づき」実習を3年間実践し、「人間関係論」の教育方法について検討した。新入生の意識変化をアンケート調査から考察した結果、自己受容に変化はないが新環境への適応が成され、他者に対する冷淡さが増す傾向が明らかになった。また自由記述より「丸ごとのからだへの気づき」「人とのかかわり」「周囲とのかかわりと成長」「人間関係の成り立ち」を学ぶという学習効果が明らかになった。学生はこの授業から「人間関係」について知識的な学習ができていると推察され、この方法は妥当であると思われるものの、望ましい行動変容は起こらなかった。このことから、実践的な人間関係力の向上には今後も引き続き学習が必要であり、実習などの実践を意識した、継続的なカリキュラムが望まれることなどが提案された。(査読有)