「コースの部族 RO 62箚」
大芝芳弘/小池登編『西洋古典学の明日へ』(知泉書館)293窶骭309
コース市の集住(συνοικισμマ狐ajを記録した碑文と解釈されるRO 62(コース島供犠暦)を分析して、該碑文がコース市の内訌と、これに対する処断をなすものであることを結論する。「イオーニアー四部族」「ドーリス三部族」なる概念装置を批判する緒を提供し、併せて集住が措定されてきた前四世紀中葉のエーゲ海東部の政情、国際関係の理解にも再考を迫った。通史の書き換えにもつながる、微細な考覈である。