対人援助サービス専門職(専門職)は、障がいや病いを患い地域で生活する者の家族支援に取り組む中で、家族の意向をどのように把握し、家族とどのように向きあっているのだろうか。とりわけ、多様なステークホルダーとの関係において、複雑な課題やニーズをもつ家族の意向を把握することは難い。そのため、専門職は、家族のひとつひとつの言動に細心の注意を払いながら、家族から一定の信頼が得られるような関係性の構築とともに、支援の方向性を探りつつ対応をしている。
また、家族は、必ずしも、そのときの気持ちや真の意向を専門職に語るわけではない。専門職に語らなくても、家族が語ろうと思うひとに対して、自分の気持ちや意向を語れることは、家族にとって意味のあることではないか。誰に語るかは別としても、専門職は、家族が語った気持ちや真の意向にせまることに、もっとセンシティブになる必要がある。
本シンポジウムでは、家族の気持ちや真の意向について、家族が他者に対して語ることができるための専門職の関わりや支援を考えた。なお、参加者は、70名程度であった。
担当:シンポジウム企画、運営、実施
共同発表者:河原智江、西村ユミ、南山浩二、池田真理、佐藤(髙橋)美保