目的:訪問看護師による気管切開下陽圧換気療法(TPPV)を行うALS療養者の意向を捉えるためのかかわりについて明らかにすることを目的とした。
方法:訪問看護師5名に半構造的面接を実施し、受け持ちのTPPVを行うALS療養者の意向を捉えるためのかかわりについて話を聞き、質的帰納的分析を行った。
結果:訪問看護師によるTPPVを行うALS療養者の意向を捉えるためのかかわりとして、【観察を通して合図を読み取る】、【特徴や状況に応じたコミュニケーション方法を選択する】、【伝える労力を軽減させる】、【第三者から情報を得る】、【本人の意向を慎重に確認する】、【意向を読み取れない時の判断の拠り所を持つ】が挙げられた。
結論: TPPVを行うALS療養者の意向を捉えるため、意図的な合図以外でも療養者の伝えていることを察知すること、療養者の状態に応じた配慮、自分の思い込みをなくし相手の意向に近づけることの必要性が示唆された。