〈目的〉看護師の学士課程教育における地域看護診断演習の効果について明らかにする。
〈方法〉2019年度にA大学の看護師教育課程の科目「地域看護学援助演習」を受講した3年生のうち、研究に同意した87名を対象とした。演習のレポートから学修内容についての記述を抽出し質的帰納的に分析した。
〈結果〉地域看護診断演習によって、学生は【地域の健康課題を分析していく視点と方法の獲得】、【地域の健康課題に対する支援を検討していく視点の獲得】、【地域看護の特質への理解の深まり】、【地域看護への関心と視野の広がり】、【効果的なチームワークについての理解の深まり】を学修していた。
〈結論〉学生は、地域や人々の生活状況を踏まえて支援すること、地域看護への関心と地域を支える一員として自覚をもつこと、チームワークについて学んでいた。以上から、本演習は今後の保健医療を担う看護師に必要とされる力の獲得に効果があったといえる。