[目的]在宅療養者の家族介護者支援において介護肯定感の向上の意義が指摘されている。本研究は、家族介護者が介護肯定感を得るために訪問看護師が行っている援助を明らかにすることを目的とした。
[方法]3年以上の訪問看護経験のある訪問看護師5名を対象とした。半構造的面接を行い、逐語録を作成後、コード化、カテゴリー化した。
[結果]家族介護者が介護肯定感を得るための訪問看護師による援助として、【技術や知識を教える】【介護の方向性を示す】【介護を認める】【気持ちを受け入れる】【家族介護者と要介護者との関係を深める】【介護負担を調整する】【介護に楽しみを取り入れる】【自ら介護をしている実感を持たせる】という8つのカテゴリーが生成された。
[結論]訪問看護師は家族介護者の満足感や充実感など介護に対する肯定的な感情の強化を図るとともに、家族介護者の負担を軽減し介護に対するマイナスの感情をコントロールするための援助を行っていたと考えられる。