その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 村瀬 浩貴
氏名(カナ) ムラセ ヒロキ
氏名(英語) Murase Hiroki
所属 大学 家政
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

翻訳書、学会発表、講演、作品等の名称

3Dプリンティングによる衣服作製の現状

単・共の別

単著

発行又は発表の年月

2024/06

その他の分類

学会発表

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

村瀬浩貴, 日本繊維製品消費科学会年次大会, 2024年6月23日, 信州大学繊維学部

概要

2013年ごろより3D PrintingあるいはAdditive Manufacturing(以下AMと略)は,ファッションの分野でも使用が拡大している。3Dプリンタを用いて衣服を自宅で作製することが可能になると、無駄な在庫を持つ必要が無くなるため、社会問題となっている衣服の廃棄の問題を解消できる可能性がある。また、縫製ロスも発生しないので本質的にサステナブルな衣服製造方法と言える1)。最近では、布の上にフルカラーで樹脂造形が可能な3Dプリンタが市販され、AMのファッション分野への新たな応用の可能性が模索されている2)。これまでに、ファッションショー等で披露された作品を概観すると、①ナイロンやウレタンなどの樹脂で3Dプリントされ、衣服自体が樹脂でできているもの、②3Dプリントで樹脂パーツを作製し、服の構成部品として利用したもの、③布の上に樹脂をプリントして加飾したもの、に分類される。また、AMを用いてテキスタイル状構造を造形する試みや、造形後に加熱などの刺激によって形態が変化する造形物3)など、新規テキスタイルの開発が活発化している。特に後者は、空間3軸に時間軸を加えた4D printing技術として注目されている。このように活発化するAMのファッション分野での応用であるが、デザイナの自由な発想を具現化するツールとしての側面が強いのが現状であり、日常的に着用するための快適性などはあまり考慮されていないように見受けられる。本研究では、従来の衣服に近い柔軟性を有し、しかも造形速度を改善したAMによる被服製造方法を検討している。すでに、綿などの糸を平行に配列させて平面を充填し、その表面に熱可塑性エラストマーなどの柔軟な高分子をAMでパターン形成することにより新規な布を作りだした。この“第3の布”と言える糸-樹脂複合体は、柔軟かつ、迅速な造形を可能にしている4)。さらに、糸と樹脂を一筆書きのように配置して被服を製造できる3Dプリンタの開発を行っており、その開発状況を当日に報告する。

参考文献

1) Danit Pereg, 2015, https://www.ted.com/talks/danit_peleg_forget_shopping_soon_you_ll_download_your_new_clothes/transcript (2024.4.20参照)

2) Stratasys社HP, https://www.stratasys.co.jp/guide-to-3d-printing/technologies-and-materials/3dfashion-technology/ (2024.4.20参照)

3) Keef et al., Congent Engineering, 9: 2048439 (2022).

4) H. Murase, S.Murata, K.Kumaoka, Novel Additive Manufactured Clothing with Potential for Comfort and Recyclability, Journal of Fiber Science and Technology, 78(11), 184-193 (2022).