天然セルロース結晶は、I型と呼ばれる結晶構造を持つ。I型結晶を水酸化ナトリウムで膨潤させ、その後水洗によりアルカリを除去、乾燥させるとII型結晶へ結晶変態することが知られている。本研究では、木材中のセルロースの結晶変態を電子線回折を用いて研究し、結晶変態時に要請されるセルロース結晶中の分子配列変化をセルロース結晶の周囲に存在するリグニンが抑制していることをつきとめた。
担当部分:研究全般
著者:Hiroki Murase, Junji Sugiyama, Hiroshi Saiki, and Hiroshi Harada