セルロース結晶はわずかな電子線の照射によっても崩壊してしまう電子線損傷に敏感な物質である。本研究では、さまざまな植物セルロースのなかでも最も電子線に弱い木材セルロースの電子線耐性を定量的に評価し、電子顕微鏡による木材セルロース結晶の高分解能観察の可能性について調査し、低倍率の回折コントラスト法による木材セルロース結晶の直接観察に成功した。
担当部分:ポプラのあて材細胞のG層を形成するセルロースミクロフィブリルの明視野回折コントラスト法による観察を担当した。
著者:Junji Sugiyama, Yuji Otsuka, Hiroki Murase, and Hiroshi Harada