報告「多党制下カナダにおけるデュヴェルジェ的政党政治の希求」
日本比較政治学会(京都産業大学)
単純小選挙区制は二大政党制を生む傾向があるというデュヴェルジェの法則に反し、カナダでは1921年以来、実質的に多党化している。そうした状況下で展開されるカナダの政党政治像を、自由党と保守党が歴史的に主張し追求してきた「ナショナル」な政治主体という面に注目し描き出す試みをした。そこで見られるカナダの政治像として、実質的な多党制下にありながら、二大政党制への回帰を目指す、デュヴェルジェ的政党政治の希求であるとの見方を提示した。