研究成果報告書 若手研究(B)「多数決型民主主義国家における妥協の政治―20世紀前半のカナダにおける連邦政治過程」
日本学術振興会
本研究は、制度上は国内多数派の利益を優先するカナダの議会政治が、地域的にも民族的にも高度に多元的な社会といかに調和しうるのかを、「妥協の政治」という仮説を立てて検証した。検討対象は、産業化や都市化に伴って地域的な利益対立が顕在化した20世紀初頭から半ばにかけての平時の連邦政治であり、各政権期の主要争点に関する政策決定過程を検討することで、「妥協の政治」の実態を明らかにした。