「マッケンジー・キング政権における統合の模索―20世紀初頭の鉄道輸送料金をめぐる議論を中心に」
日本カナダ学会『カナダ研究年報』
カナダは多元的な地域・民族利害を抱えながら、その政治制度は利益集約の規模を最大化する合意形成型ではなく、国内多数派の利益を優先する多数決型を特徴とする。そうした制度下で多元的な利益がいかに調整されてきたのかを、経済格差を背景に地域的な利害対立が先鋭化した1920年代初頭に、地域利害と密接に絡む争点として浮上した鉄道輸送料金政策をめぐる議論に注目し明らかにした。