本研究では、児童養護施設における子ども間の暴力を、当事者でも法制度からでもなく、施設職員でもない第三者の視点から、考察することを目的とし、次のような結果が得られた。児童養護施設内における性暴力のレベルとその対応について、回答者の多くは不適切な行為ではあるが、対応としては厳重注意で良いという意見だったものが、実際の施設入所児童や職員の回答を提示したところ、重大な加害行為であり、施設を退所させるべきであるという対応を考える回答者が増加した。入所児童の意見を尊重する姿勢が見られ、アドボカシーの視点からもこのような結果になったのだと考えられる。