「戦後新学制下における長期欠席問題――文部省による問題把握と施策の分析」(査読付)
『学校教育研究』日本学校教育学会
第30号
戦後初期の文部省が長欠問題を認知し施策を講ずる一連のフローを論証した。当時の長欠問題は、戦災孤児や浮浪児の問題や六三制問題として顕在化した。調査の結果からは、長欠には社会階層による出現率の差異があり、それが都市と農村における長欠の質的な差異に結びついていた。すなわち、都市の長欠は「家庭の貧困」によるもの、農村は「家庭の無理解」によるものという対照性がみられた。