「高度経済成長期における長期欠席の変容 : 長欠児童生徒援護会(黄十字会)の活動理念と長欠認識」
共立女子大学家政学部紀要
第66号
戦後復興期から高度経済成長期の期間は、学校に来ない/行けない子どもの数が現代よりも多く、その理由は経済的理由や家庭の無理解によるものが中心で、現在とは大きく理由も異なっていた。その中で経済成長を経て全国的に長期欠席は減少するものの、局所的にはより深刻な貧困問題として長欠が社会問題化していた。とくに、簡易宿泊所地域(いわゆる「ドヤ街」)での長欠が行政的課題となり、本論文では、山谷地域の長欠の子どもの実態と、そこで教育支援を行っていた長欠児童生徒援護会(黄十字会)の理念と活動内容を分析した。