「国会議事録にみる戦後の長欠認識」
『東京大学大学院教育学研究科紀要』東京大学大学院教育学研究科
第43巻
子どもの公教育への就学が経済状況及び社会階層によりいかなる影響を受けていたかを考察した。戦後初期においては長欠=貧困との認識が社会的に共有されていた。しかし、60年代後半から70年代は、長欠率の低位安定状態が続きつつも、国会においてはその時期、従来どおりの経済政策的な長欠対策の限界が意識されはじめた。同時に、学校ぎらいをはじめとする長欠問題の新たな課題が浮き彫りになり、子どもの心理面への関心が高まったことが推測された。