「明治前・中期の東京市街地における小学校の就学動態――親の職業とのかかわりで」
『研究室紀要』東京大学大学院教育学研究科教育学研究室
第30号
明治前・中期の公立小学校における保護者の社会階層を学籍簿より分析し、公立小学校就学と社会階層の関連を明らかにした。その分析を通じて、近世の寺子屋的要素を残す中下層向け私立小学校に対し、都市名望家層によって支えられた公立小学校という性格を指摘した。また、退学理由の分析から、学校の位置づけや就学に対する規範意識が、階層によって異なることも確認された。(土方苑子、小林正泰)