「簡易宿泊所地域における長欠対策学級の実践――東京・山谷地区の事例を中心に」(査読付
『青少年教育フォーラム』国立オリンピック記念青少年総合センター
第6号
戦後初期の長期欠席は、高度経済成長の過程で1960年代には解消されたと考えられている向きがあるが、局地的に困難が集中したより難解な問題として堆積しており、中でも山谷・愛隣・寿町といった簡易宿泊所地域の長欠児は、学力が著しく低い、生活習慣や道徳性が身についていない、学籍がないなど多くの問題を抱えながらも、放置されたままであった。そのような状況下で、生活指導や学習指導により子どもの発達援助を行なった実践を紹介し、その現代的意義を考察した。