精神科医療の現場では、薬物療法は中心的治療である。薬物療法での看護師の役割は薬を配るだけの業務ではなく、観察や介入に多くの時間をかけている。患者の処方の内容やその影響についての知識が要求される。そのために、業務を行うためには知識の整理などは他の職種とは異なる方法が必要とされている。また、向精神病薬の約40%は、身体科の医師により処方されており身体科の看護師でも、向精神病薬の知識が必要とされている。
本書は、精神科の看護師のみならず身体科の看護師にも役立つように薬物療法の知識を詳細にまた時間軸を意識してかかれていることが特徴である。
B5判 全227頁
編者:坂田三允、萱間真美、櫻庭繁、根本英行、松下正明、山根寛
共著者:渡辺雅幸、岡島由佳、上島国利、吉益晴夫、幸田るみ子、磯野浩、中島振一郎、渡邊衝一郎、志田博和、高畑圭輔、櫻庭繁、久保正子、下寺信次、加藤邦夫、三野義央、吉尾隆、倉田めば、萱山真美+F246
-本人担当部分:第5章第1節看護の視点から(pp176-183) を単著で執筆した。
執筆内容:精神医療の現場において患者の服薬行動の維持は最も重要なものと位置づけられている。服薬の方法によりその後の患者の服薬行動に影響を及ぼすほど精神科医療の現場では重要である。特にノンアドヒランスについての原因について詳細に記載し、服薬指導の観察フローチャートでは、図説を用いて明瞭にかつ簡潔に理解できることができるように工夫した。精神科看護をするうえで薬物療法の知識を持つことは精神疾患についての知識と精神科看護の技術力深めるためにも重要な課題などを記載した。