統合失調症の呈する症状のうち最も患者を苦しめる精神症状は幻覚である。しかしその精神症状を患者以外が理解することは大変困難である。理解しているつもりでも実体験がないだけに言葉だけになりがちであり、患者も医療職者が自分の辛さを理解してくれないだろうと諦めと怒りの気持ちが複雑に交錯し医療職者と患者側の溝は深い。そのため、精神科医療従事者が幻覚体験機を用いて体験することにより幻覚に対することが重要であり、実際体験前後でのアンケートにも理解に対する明らかな変化がみられ、体験による有効性が示唆された。
本人担当部分:この論文は筆頭著者として研究の立案・実験の実施・結果の考察・文献の調査・論文の作成の全般を行った。
共同発表者:M.Kubo、S.Sakuraba、 T.Komoda