彫刻演習における制作課題は同一課題とする事で、授業で扱う概念、技術を効率的に指導する事ができる反面、学生がそれぞれ持つ個性についてはきめ細やかに指導することは難しい。発展的に「個」の表現を生み出していく上では、平行して「個」のテーマを常に探求する姿勢が必要となる。
「スクラップブック」は学生のそれぞれ気になった写真や広告、ネットの画像、メモなど、生活の中で半ば無意識的に取捨選択しているビジュアルイメージをコラージュのように再構成するものである。学生は授業毎に一つ以上のコラージュを作成・持参し、教員とそれについてディスカッションする。その積み重ねから、それぞれの学生の重要視、問題視している要素や傾向を明らかにしていくものである。