18歳以上30歳以下の身体障害者手帳1級をもつ子どもの母親5名を対象にインタビュー調査を行った。家族は【子どもの保護】から【将来の生活に向けた準備】をし、【子どもの自律】へと向かって発達していることが示唆された。この中では【子どもの自律】と【子どもの保護】の二者が共存しており、両者のバランスを変化させながら【子どもの自律】に向かっていく家族の姿がうかがえた。特に高校卒業の時期は家族が危機的状況になりやすいことが示唆され、高校卒業というライフステージの移行期に切れ目が生じないような支援は、【子どもの自律】に向かう家族の発達を促す支援としても必要であると考えられた。また、家族は【子どもの自律】を目指しており、そのために<機能低下の予防>や<発達の促進>を意識し、社会の中で親以外のできるだけ多くの人との関わりを促していた。しかし、社会の人々との関わりの中で、【子どもの自律】に向けた関わりに関する考えが、家族と保健医療職者等で異なったときに、家族は戸惑いを感じていた。そのため、障がいのある【子どもの自律】を目指したケアや関わりについて家族とともに考えることが看護支援として必要であることが示唆された。