FRBRが果たした役割について再検討を行った。FRBRで提示されているFRBRモデルは実体関連モデルで表現された概念モデルである。この点に着目すると、実体関連モデルで表現されているためにモデルの内容が理解しやすい一方で、モデルを構成する実体の解釈などさまざまな捉え方も可能であること、さらにその柔軟性がFRBRを題材とした多様な研究につながったことが確認できた。
また、FRBRが刊行されてから20年近く経つが、RDAの策定や現在進行中である日本目録規則の改訂作業に見られるように、FRBRが現在も目録に関わる議論において非常に重要な役割を果たしてきたことも確認できた。そのほかにFRBRを題材とした研究の動向について整理して発表した。